憎しみ | TERRA EXTRANJERA

  憎しみ

       今、フランスでは怒れる移民の若者達が暴動を起こし社会問題になっている。
   
         このBlogの読者。mireineさん の住んでいるパリ北郊サンドニ県で
 
                   暴動の火種は着火したのである。
   
   彼らの大多数がフランスに移民してきた2世、3世であり、スミッグ(低所得者)の家庭出身だ。
   
      その多くの若者達は非行に走る。フランスでは不良の事をRacaille(ラカイ)と言う。
              
            そこで下記に新聞の一部をコピーしたので読んでもらいたい。
          
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                       11月4日毎日新聞より
  
 北アフリカ系移民などが集中して住むパリ北郊で、10月末から若者の大規模な暴動が続いている。

        

        夜炎上した車は計897台、逮捕者は約250人と一夜で過去最大規模に達した。


                ドビルパン首相は2日、カナダ訪問を延期し


      サルコジ内相もパキスタン、アフガニスタン訪問を中止する事態となっている。


    きっかけは、10月27日夕、パリ北郊サンドニ県で少年2人が警察の職務質問を受け


           変電所内に逃げ込み、誤って高圧部分に触れ死亡した事件。


  以来、1週間にわたって周辺の移民系若者が車100台以上を放火するなど暴動を繰り広げ、


               機動隊数百人が出動して対立が続いている。


   ある地域では地下駐車場の車数十台が放火され、住民数百人が避難する騒ぎとなった。


        

                5日、パリ北部の通りで燃え上がる車=○P通信
             
              繊維工場倉庫2棟と車会社のショールームも燃やされた。

         若者らは逃げ去っているため、機動隊との直接衝突は少なかったという


                 暴動はパリ市内には及んでいないが


     連日テレビに映し出される映像は仏国民に改めて移民問題の深刻さを思い知らせている。  

 


        

                   警察官に連行される若者ら=○P通信

 

また同様の暴動は、小規模だが南部のトゥールーズ、ニース、北部リール、北西部レンヌなどでも発生。


          フランスでは50年代から移民受け入れ策の一環として主要都市近郊に


   事実上移民用となる大規模団地を建てており、パリの暴動が各地に飛び火した形となっている。


    内相は首相との会談後の4日深夜、パリ西部警察指令センターに突然現れ、警察幹部らに


 「逮捕こそがカギだ。組織化している中心人物を洗え」と改めて命じたため、暴徒の逮捕者が増えた。


        ドビルパン首相と与党・国民運動連合党首で治安トップのサルコジ内相は


         4日夜緊急会談を行ったが事態は泥沼化。収拾のめどは立っていない。


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               この様に、事態は深刻な状況に差し掛かっている。


 今後、政府の対応が気になるところだが、フランスに住んでいる人々は事を深刻に受け止めている。


 ただでさえ失業率が高いフランスに、外国人の働く職場は限られてくるので、彼らの不満は溜まり


    自由・平等・博愛をスローガンのフランスも、この問題の対応には時間を掛け過ぎたようだ。


       実際、私の勤めているBoulanger(パン屋)でも多くの移民が働いている。


           彼らはスリランカ出身で、政治亡命としての移民者なのだ。


       そして、私の住んでいるパリ10区も、多国籍な移民達が根を下ろしている。


 なので今回の事態は、フランスに住む移民の今まで社会から妨げられててきた怒りが暴発した形だ。


私は自分の目で移民達の暮らしを目の当たりにしているので、今回の事態は他人事では無い様に思える。


         何故かと言うと私自身、この国ではl’Etranger(外国人)なのだから・・・               


下記にフランスの移民の若者をテーマにした映画を紹介するので、興味あれば参考にしていただきたい。

                 

        

         


   今回の事件を機に、私は改めて移民国家の深刻な問題を考えた。非常にナイーブな問題だ。


             そして、この問題は日本にも当てはまるのだと思う。


  マイノリティーな存在である在日韓国人、在日中国人、在日ブラジル人、アイヌ人琉球人  ets・・・


               彼らは民族のアイデンティテーを訴えている。



      それと同時に、日本に訪れる外国人の犯罪増加 。年々増加傾向にあるようだ。


         パリ、ニューヨーク、ロンドン、レベルの複数民族国家じゃないが


    日本も単一民族ではなく、複数民族国家なのだと再認識する時期なのかもしれない。


                                                          Monde